ドル円と米国債金利は正の相関にある理由を徹底解説
一般的にドル円と米国債金利は正の相関にあると言われています。ではどうして相関が現れ、どのようなときに崩れるのでしょうか。ドル円と米国債金利の関係について探っていきたいと思います。
米国債とドル円が正の関係になる理由
図で表すと下記のような感じですが、1つずつ解説していきます。
米国債の売買はリスクオンとリスクオフのトレンドによって左右されます。リスクオフになると安全資産である米国債が買われるので、米国債の購入金額が上がります。
1. 米国債が買われると長期金利が下がる理由
今まで1,000円で買えていたはずの米国債が1,050円になったとします。満期で1,100円のリターンがあるとすると、1,000円では10%のリターンですが、1,050円では5%のリターンとなります。このリターンの差が長期金利が下がる理由です。
2. 長期金利が下がるとドル円が下落する理由
長期金利が下がるとその通貨建てで購入する金融資産の金利がさがります。また金利の低下は経済の低迷を示す指標でもあるので、その国の通貨を売って他の安全な通貨を購入するという流れになります。
ちなみにスイスフランや日本円は低金利通貨なので、資金調達のために使われやすい通貨です。特にリスクオフの際は資金調達に使われ、その結果、円高、フラン高が起こる傾向とされてきました。
米国債金利とドル円に正の相関がなくなるとき
コロナ禍の2020年には米国債金利とドル円が逆相関の関係になりました。これはCOVID-19など国債金利以外の材料が重要視されたことが影響しています。
米国債金利とドル円の相関は市場関係者の頭の中にあるものの、他の材料の有無によっては相関が崩れることも頭に入れておかないといけないかもしれません。