「微分・積分を知らずに経営を語るな」在庫管理の計算式を解釈する
話の中に微分・積分はあまり登場しませんが、数字でビジネスを語りましょうというコンセプトの本です。高校のとき微分・積分って理科でしか役立たないんじゃない?と思っていましたが、経営でも使えるというモチベーションになりそうな本です。
私が印象的だったのが在庫管理の考え方です。在庫管理は将来の販売予測から立てるのは当たり前ですが、そこに標準偏差を使うという発想が初めてでした。
調べてみると結構メジャーな考え方らしく色々な記事が出ていました。どの記事も下記の安全在庫の計算方法を紹介していました。どうもPosレジで集約されたデータを使いこなす方法の1つらしいです。
安全係数の計算方法
安全係数はNORMSINV(1-欠品許容率)で計算されます。NORMSINV関数はただこの関数はNORM.S.INV 関数で置き換えられるので、計算する際はそちらも使えそうです。
NORMSINV関数は平均を0として標準偏差が1の正規分布の累積確率から元の値を計算します。つまり欠品率を5%にしたいときは95%の確率で正規分布に当てはまる数字を求めているのです。
ちなみに今のところ統計的に優位と言われているのは欠品率5%のときの安全係数1.65だそうです。
使用量の標準偏差
過去の使用量の標準偏差によって過去の需要変動を知ることができます。過去に平均からどのくらいブレたのかを知るための数字です。
発注リードタイムのルート
発注間隔にルートがつく理由は分散の加法性が要因です。発注してから納入されるまでにかかる日数を分散と捉えているので、標準偏差にするために平方根を取っているそうです。