「政治こそ経営だ」（山田宏 著）組織改革に寄り添ってくれる一冊？

杉並区の改革を主導した元区長の山田さんが書かれた本です。個人的には主張が合わない部分もありますが、題名に惹かれて読んでみました。

山田さんが区長時代に行った行政のスリム化、業務改善の改革について具体例とエッセンスが書かれており、民間会社の経営にも通じるところがありそうでした。

各章ごと組織改革の施策が周囲の反応とそれに対する山田さんの考えをもとに書かれているので、おもしろく読めました。将来、人を引っ張る立場になったときに横にあったら勇気が出そうな本です。

個人的におもしろかったのはエアコンを設置するか否かの話です。熱中症で人が死んだら誰が責任を取るのかと思ってしまいますが、当時はエアコンを付けないという方向に持って行ってたそうです。

社会科見学か何かで学生たちに対して山田さんがエアコンの設置費用が別のことに使えたら何に使いたいかと問いかけたと言います。

会社で何かの投資をする際に投資対象に対して経済性分析や実現可能性の分析をすることはよくありますが、そのPJにいくら必要でそのお金があったら何がしたいのかというゼロベースで考えてみるという意識が自分の中になかったので、勉強になりました。